2013年12月22日日曜日

若年層甲状腺がん全国平均100万人に5~11人。福島県4051人に1人

福島県で見つかった甲状腺がん(疑いを含む)59人は、原発事故による被曝の影響か――。

きのう21日、福島県の18歳以下を対象に実施された甲状腺検査について、環境省と福島県が専門家による意見交換会を開いた。

福島県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科)は、「がんが見つかった子どもの年齢分布も10代後半が多く、若年齢が多いチェルノブイリとは異なる」などの理由から、これまでに見つかったがんや疑いについて「被曝の影響とは考えられない」とした。

いっぽう、岡山大の津田敏秀教授(疫学)は、10代後半~20代前半の甲状腺がんの年間推計発生率は、「平均(1975~08年)は100万人当たり5~11人」であるのにたいして、「福島の子どもの甲状腺がんの発生は数倍~数十倍高く、多発と言える。今後さらに増える可能性もあり、今のうちに対策をとるべきだ」と述べた。

福島県で実施された甲状腺検査の対象となったのは18歳以下の23万9千人で、その内59人ががんかその疑いがあるという結果が出た。

この福島県の発生率を求めると約4051人に1人となる。

全国平均は100万人あたり5~11人なので、福島県のがん発生率は飛びぬけて多いことがわかる。

このデータを見れば、津田教授が指摘するように「被曝の影響によるがんの多発」を考えてとうぜんだ。

また、そうであるなら、福島県だけではなく、東北や関東など放射能汚染にさらされた地域にも同様の検査をおこなうべきだろう。

それと、被曝の影響は若年層の甲状腺異常だけではない、ということも留意しておきたい。

被曝の影響を「子どもの甲状腺」だけに焦点化させることで、それ以外の被曝障害について眼を逸らそうとする意図がうかがえるからだ。

これは日本の専門家の一部がチェルノブイリ調査でやった「実績」がある。

東電福島第一原発事故による放射線障害の影響をできるだけ低く見積もる、あるいはなかったことにする動きはこれからもずっとつづくだろう……。

2013年12月20日金曜日

「線量計はいつも持ち歩く。年間の被曝は20ミリシーベルトまで」って、これ飯館の日常ですか?

朝日「プロメテウスの罠」のきょうの書き出しはこうだ。

【引用開始】

 いいたてホームでもっとも若い職員、渡邊美樹(21)は、じいちゃんばあちゃんを置いてはいけないとホームに残った。

 放射能が心配ではないのか。

 「除染しているからいいっていうけど、大丈夫かどうか。正直いって分からない」

 線量計はいつも持ち歩く。年間の被曝は20ミリシーベルトまで。毎月、ホームが積算量を記録する。限度内だからいいのかなと思っている。

(『朝日新聞』「プロメテウスの罠・残ったホーム 11」2013年12月20日

【引用終了】

「20ミリが限度内」って?! 
 
いやいや、完全に限度外。超オーバーだよ。危険に満ちている。
 
そんなところに立ち入ってはいけない。
 
20ミリシーベルトというのは、人間というか、生物が生息するのにきわめて不適切な環境だ。
 
ちなみに、ウクライナでは、年間5ミリシーベルト以上のエリアは「移住義務ゾーン」。
 
しかも21歳の若い女性が、20ミリなら「限度内だからいいのかなと思っている」というのだ。
 
これ、政府、原子力安全委員会、御用学者などが流す「20ミリ安全パブリシティ」に完全に洗脳されているよ。
 
みんな、こんなふうに「放射能安全神話」にダマされているのかな……。

2013年12月17日火曜日

安倍内閣を「支持する」28%、「支持しない」51%。沖縄県民世論調査

朝日新聞が14日から15日に沖縄県内の有権者を対象にした世論調査の結果だ。

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

支持する   28%

支持しない  51%

(『朝日新聞』2013年12月17日朝刊)

どうだろう、この数値の評価は……。
 
沖縄県民は真っ当な人が多いなあ、というのが、ぼくの第一番目の感想だ。
 
沖縄は、日本政府の理不尽な施策にずっと苦しみつづけてきたので、そこに住む人は政治や政治家を判断する眼がするどく、的確なのだろう。
 
そして、この沖縄での安倍内閣の支持率は、数週間か数カ月後の日本全国のデータとなる、というのが二番目に想ったことである。
 
希望的観測もあるけど、支持するが急減し、支持しないが急増する流れはまちがいあるまい。
 
もし、このトレンドがそうならないなら、原発再稼働と強権的軍事国家建設への突進で、日本が終わることも、まずまちがいないところだ。
 
問題はこのトレンドの速度だろう。遅くとも、来年前半に日本の運命が決まる……。
 
おお、ぼくたちも沖縄につづこう!(なんか、朝っぱらからハリキッてしまった)

2013年12月16日月曜日

原発はすべての人間の営みを、一瞬にして根こそぎ台なしにする

京都で数百年つづく醤油や麹づくりのドキュメントがテレビで放送されていた。

ぼくは『天皇家の食卓』という「ふしぎの国の和の食」をテーマにしたノンフィクションを書いたことがあり、日本の伝統的な和の食材にとても興味があるのだ。

そのとき、ふっと、福井の若狭湾沿岸に乱立する原発が事故を起こせば、その時点で、この伝統的ないとなみが、たちどころに途絶えてしまうのだ、という想いがよぎった。

原発は、代々受け継がれてきた人間のいとなみを、一瞬にして台なしにする。

過去の歴史も、未来の希望も根こそぎ奪いとってしまう。

日本にしかない、伝統的な和の食材をつくる匠たちの丹念な仕事ぶりを見ながら、いまさらながら、そんな原発の存在を想った。いや、呪った……。

2013年12月15日日曜日

「(原子力の専門家は)何年もオレたちにウソを言ってきた」小泉純一郎

けさの朝日の「ザ・コラム」が興味ぶかい。

小泉純一郎元首相が大久保真紀編集委員との会食の場で、原発推進から反対へ「変節」したいきさつを吐露している部分である。

小泉の「原発ゼロ」発言は、原発反対派と推進派双方の賛否が入り乱れた物議モノである。

小泉が政治家であったころは、もちろん原発推進であり、首相在任中はその稼働のいわば最高責任者なのだから、この発言が物議を醸すのも無理はない。

だから、小泉の「原発ゼロ」に推進派がびっくらこくのは当然としても、反対派の中には、この発言をストレートには受け取らず眉に唾をつけた人もいたのだ。

まあ、ここでは小泉の真意はともかく、彼のナマの声を聴こうではないか。

 【引用開始】

 原発推進から原発ゼロに変節したのも、心を揺り動かされた何か大きな理由があるに違いない。そう思って質問した。小泉さんを変えた一番のものは何ですか?
 「電事連(電気事業連合会)の言ってること、ウソじゃん」。私の目を見据えて、強い口調でまくしたてた。
 「専門家が『安全で、コストが安い』『脱石油にはこれしかない』と言えば信用しますよ。何年もオレたちにウソを言ってきた。これですよ。こっちは原子力の知識なんかないんだから。3・11以前はそんな関心もなかったし。あれほど制御しがたいものとは知らなかった」
 だまされたと思ったんですか。あえてそう聞くと、「そうだよ、思ったよ」。
 じぇじぇじぇ。原発ゼロに背中を押されたのは、官僚や専門家にだまされたことに気づいたからなんだ。まるでオレオレ詐欺の被害者みたい。同じことを何度も尋ねたが、福島の被災者への言及はなかった。
 じぇじぇじぇ。5年半も首相を務めた最高権力者がだまされたと嘆き、怒っているとは。でも、よくよく考えれば、日本はとんでもない国だ。正確な判断材料が一国の命運を左右する首相に示されず、安全神話を信じさせられてしまうのだから。小泉さんの変節は人間として何となく納得できるような気がした。(『朝日新聞』「ザ・コラム」2013年12月15日)

【引用終了】

さて、このやりとり、どうですか。
 
まあ小泉という人、だまされたからといっても、首相という立場で原発を動かしたのだから、無責任このうえない。単に、「だまされた」で済まされるものでもあるまい。
 
ただ、自分の非を認めて、きっぱり「変節」するのは正直といえば正直ではある。これからもぜひ、その「原発ゼロ」を貫いて、安倍政権の原発再稼働を止めてもらいたいものだ。
 
ぼくは原子力、原発、核エネルギーというものは、地球を全滅させる悪魔のパワーを秘めたものであり、それを人間はコントロールしえない、という認識のもと反対を唱えてきた。
 
まあ、こんなこと、ごくふつうの理解力があれば、だれだってそう認識するはずなんだけど、それがいまになってかつての最高権力者が「あれほど制御しがたいものとは」と吐露するとは、いささか驚きだ。
 
もっと、はやく気づけよ! おっせーだろ。……と、マジに思う。
 
首相の時代に気づいていれば、3・11もなかったし、日本中の原発が廃炉となっていたはずだから。
 
ところで、安倍晋三首相はどうだろう。
 
福島原発事故を体験したからには、小泉のように「だまされ」とはいかないはずだ。
 
彼は原発の危険性を承知のうえで、核エネルギーという悪魔のパワーを、政治的パワーとして利用しようとしているのではないか。
 
政治を軍事とよんでもいいのだけど……。

2013年12月9日月曜日

問題です。この発言はだれ?「私を軍国主義者と呼びたければ呼べ」「戦争に行かない人は死刑」「ナチスに学べ」

【答え】

*「私を右翼の軍国主義者と呼びたければ呼べ」……【安倍晋三内閣総理大臣
 
もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」月26日発言
 
 

*「戦争に行かない人は死刑にする」……【石破茂自民党幹事長
 
「『これは国家の独立の為だ、出動せよ』と言われた時に、いや行くと死ぬかも知れないし、行きたくないという人がいないという保証はどこにもない。だから国防軍になったらそれに従えと。それに従わなければその国にある最高刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら懲役300年。そんな目に逢うなら出動しようかと。人を信じないのか、と言われるけど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」4月21日発言
 

 
*「ナチスに学べ」……【麻生太郎副総理】

「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」7月29日発言
 
その後「例示が誤解を招く結果となったので撤回する」とのコメントを発表。
 

「死ぬほど好き」って、比喩ではなく文字どおりなのです。そんな死ぬほど好きな卓球に魅せられた少年が体験したものとは……。

 
 
 
 
 
シェフ、虹への一撃 (嵐と虹の巻)





シェフ、虹への一撃 (雷と月の巻)





 

2013年12月7日土曜日

ついに眠れる学生もめざめた! 「秘密保護法に異議あり」の学生集会が開かれたよ

安倍政権って、もしかしたら政治や社会に無関心な層をめざめさせるために、こうまで露骨な恐怖政治をやっているのかな、と思わず穿ってしまうほどの強権ぶりだ。

秘密保護法強行採決、原発再稼働策動とここまで露骨にやると、さすがのわがニッポン人も怒るぞ、と想っていた。

すると、どうだろう。

おお! 学生たちが「秘密保護法を考える全国学生緊急大集会」を開いたというではないか。

これ、数十年ぶりのおめざめだ。

どこぞの党派がからんでいるかもしらんが、そんなものどうでもいい。

とにかく、学生たちがめざめはじめたことにエールを送りたい。

ここ1年2年が、この国がほんとうの民主国家となるか、軍事独裁国家になるか、また原発で滅ぶか否か、の岐路というか試金石となる――。

こんなこと、よほど鈍感でないかぎり、みんなそれくらいは察知できる感性をもっているものだ。

 
【引用開始】

特定秘密保護法に危機感を募らせた東京都内の大学生らが参院本会議で採決があった6日、「秘密保護法を考える全国学生緊急大集会」を東京都三鷹市の国際基督教大で開いた。「見て見ぬふりできる状況じゃない。この『不』特定秘密保護法を本当に許していいのか」と、参加した約300人の学生に問いかけた。

(参考引用資料・『毎日新聞』127()1057分配信)

【引用終了】