2011年4月20日水曜日

福島原発事故に関して№13

僕と彼女の週末に、
僕と彼女に終末が訪れないことを
ただ祈りながら。


浜田省吾『僕と彼女と週末に』という曲、知ってますか。
このハマショーの曲に、「恐れを知らぬ自惚れた人は宇宙の力を悪魔に変えた」という一節があります。この「力」とは、「原子力」という力でしょう。そして、この曲はセリフが入り、こう語ります。僕と彼女は翌朝、気分が悪くてめざめ、浜辺を歩くと数え切れないほど魚が波打ち際に打ちあげられていた。そう、これは原子力発電所の事故を彷彿させます。

311日の福島原発事故から、もうすでに40日が経過しています。しかし、いっこうに私たちは予断をゆるさない状況から脱することができません。私がもっとも信頼を寄せる原子力専門家は、もういちど水蒸気爆発が起これば「破局」すると述べています。最悪の終末です。

もし、そうなると、その爆発と風向き次第で、東京および関東圏に住む、「放射能汚染なんてたいしたことない」「危険だと言っても原発は必要だろう」「ただちに健康への影響はない」……などと思っていた人までもが血相を変え、慌てふためき、群れをなして逃げだすだろう。

東京電力は、その事故の収拾工程を示したけれど、それを信じる人はあまりいない。何百名の作業員たちが、懸命の原発事故対策をやっているのにかかわらず、事態収拾のメドはたたない。「技術力のある日本人」と日本国家の総力をあげても、だ。

もう私たちははっきりと理解したはずだ。原子力、核エネルギーは、人間の手に負えない「悪魔」であることを。近代になり、人間は自然をつくりかえてきた。クルマを走らせ、飛行機を飛ばし、月に舞い降り、コンピュータを操るようになった。そしてついには、核分裂によってエネルギーを得るようになった。そう、「恐れを知らぬ自惚れた人は宇宙の力を悪魔に変えた」のだ。

人間が手をつけてはならない領域があることを神話が伝え、それを漫画家の山岸涼子が描いている。山岸は今回の原発事故を受けてネットで無料公開した。
『パエトーン』


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